家を買う・建てるとなると、新築注文住宅か、それとも建売か、はたまた中古住宅かと考えるのが普通だが、「建て替え」という選択もある。
「新築にするか、それとも建て替えか」と悩みに悩んでいる人がいたら、一度中身をすっきりスキンヘッドにして(あくまでも中身であり毛を添ってしまえ!という意味ではない)、「リフォームの可能性」を考えてみるべきだろう。
新築と比較した場合の「建て替えのメリットとデメリット」
例えば、古くなった実家を取り壊して、そこに新しい家を建てて家族と同居するといった場合だ。
新築となると建物を建てるための土地も購入しなければならないので、予算は膨大になる。
実家は相当ガタが来ているが、両親はアンパンマンを凌駕する元気120倍でまだまだ人生をお謳歌しそう。
だったら、実家の土地に新しい家を建ててしまえば、親からの援助も遠慮なく受けられて一石二鳥と考えるのは悪いことではない。
私の友人(40代・子ども4人)は、まさにそのパターン。
実家に建っているすでに廃業したラーメン店との店舗併用住宅をぶち壊し、新築住宅に建て替えた。
両親との同居なので、もちろん建築資金には潤沢な「親予算」が投入されている。
「両親に真新しい家で余生を暮らして欲しい」という親孝行も同時に達成できるというメリットも大きいと考えたそうだ。
ただし、建て替えの場合、当然ながら「古い住宅の撤去費用」という余分な出費が加算される。
「いらないものを壊して片付けるのに大金を支払う」という行為は、どうしても「もったいない感」がある。
また、古い家屋の場合、現在の建築基準法に適合していない住宅も多々あり、現在の容積率や建ぺい率などを考えた場合、以前の住宅よりかなり狭くなったり、様々な制限を受けたりと自由な住宅建築ができない場合も多いという。
更地に新しい家を建てることに比べると、「建て替え」は圧倒的に面倒なことが多くなる可能性をはらんでいるということだ。
そこで検討したいのが「新築」でも「建て替え」でもない第三の刺客「リフォーム」である。
リフォームで古い住宅の修繕とグレードアップを行う
古い木造家屋でも、家の骨格である柱や構造自体はものすごーくしっかりしている場合も少なくない。
「シロアリにやられてボロボロ」という場合ならともかく、多少古くなってガタがきている程度であれば、適切な点検とメンテナンス、最新の耐震基準に則った補強、修理を行えば、その後も十分長い間暮らせるだけのポテンシャルを秘めているものである。
構造部分さえしっかりと直してしまえば、あとは思い通りに中身をリニューアルすれば良い。
バス、洗面所、トイレ、キッチンといった水回りは、最新の設備を投入することで、以前の古い家に比べて格段もグレードアップできる。
リフォームの方が新築よりお金がかからない分、そういった設備にも多くの予算が当てられるというのもメリットだ。
通風・採光のためには重要な窓も、新しい商品に取り替えることで機能性がかなりアップすだろう。
リフォームで間取り変更も可能。予算もそれほど高くない
もちろん、リフォームの段階で間取りの変更もできる。
和室を洋室に変えたり、壁をぶち抜いて広いリビングダイニングにしたり、ウォークインクローゼットをつけたりと、可能性は無限大だ。
家を一度解体するので、当然、家の中は一度からっぽになる。
これまもう断捨離の最大のチャンスである。
リフォームを機会に、いらないもをバッサバッサと捨て去って、新しい設備で新しく生まれ変わった家でスッキリと暮らす。
予算は抑えつつ、最大限に新築に近い理想の住宅を作り上げる。
最近は、各建築会社ともにリフォームに力を入れており、資材も豊富、技術面でも大きな向上が見られるので、「リフォーム」は家を買いたい・建てたいと思っている方々にとっては、非常にメリットのある選択肢になりつつあるのだ。
まとめ:リフォームは低予算で理想を叶える魔法になりえる!
先ほどとは別の友人(30代・子ども2人)は、結婚後すぐ、自分の実家をリフォームし、両親と妻と子どもで同居を始めた。
リフォームを選んだ理由は、「独立開業したばかりでお金がなく新築よりリフォームに魅力を感じた。実家も大きくはないがしっかり建っていたので、二世帯住宅として生活空間を分けるプランを作ってもらった」ということだそうだ。
新築住宅より予算を低くして家を購入するとなると、中古住宅がまず選択肢として浮かぶが、「古い家」が身近にあるなら、リフォームを考えるのも悪くない。
中古住宅以上に、中身の設備に関しては新しいもの、好みのものを導入しやすく、結果として「住みやすい理想の家」が出来上がる可能性が高まるからだ。
新築、住み替え、リフォームで迷ったら、一つの可能性としてリフォームも検討してみるべき。その際は、しっかりとリフォーム業者を比較検討して、費用見積もり、実績、担当者の能力、技術力などを見極めて発注することを忘れずに。