家事動線=「家事」の動きに特化した生活動線
生活動線の中で、特に「家事」に特化した動きが「家事動線」です。
家の中で行われる行動の大半は「家事」です。
料理をつくる、料理を配膳する、洗い物をするといった「食事」に関すること。
買い物した商品を運ぶ、しまうといった「買い物」に関すること。
掃除をする、収納するといった「整理整頓」に関すること。
洗濯をする、洗濯を干す、たたむといった「洗濯」に関すること。
子育て世代では、「家事」はさらに膨れ上がります。
朝、子どもを起こしてから、顔を洗わせて、着替えさせて、トイレに行かせて、ご飯を食べさせ、幼稚園や学校へ送り出す。
帰ってきたらおやつを出して、宿題をやって、ご飯の用意をしつつ、お風呂に入る。
洗い物と洗濯物をしつつ、子どもたちを寝かせる。
本当に終わりのない苦行のようですが、我が家でも毎日行われていることです。
家事動線「同時に進めたい仕事を短い動線で結ぶ」がポイント
家事動線を設定する際に重要なのは、「できるだけ動線を短くし、同時に複数の家事をこなせるような環境を作る」ことです。
特に「キッチンでの家事」と「洗濯の家事」をスムーズにできる動線をうまく整えることで、家事の労働時間やストレスを減らすことが可能です。
キッチンと洗濯の家事をスムーズにこなすための間取りの工夫
キッチンでの、料理や洗い物といった家事と、洗面室での洗濯やお風呂掃除といった家事を同時に進めていくためには、まずそれぞれのスペースが「近い」ことが求められます。
LDKの中にあるキッチンから、荷物を置くパントリーが隣接し、その中にあるドアから直接、洗面室
や家事用のユーティリティールームに移動できるようにすることで、「家事を行う場所」をひとつにまとめることができます。
洗濯物を洗濯機に入れてスタートしたら、食器の洗い物。
洗い物と洗濯が終わったタイミングで、ユーティリティールームに移動し、直結する物干し場に洗濯物を干す。
平屋など、1階に洗濯物干しスペースがある場合は、こういったひとつながりの「家事動線」を作れるので便利です。
2階建ての場合は、2階のバルコニーに洗濯物を干す場合が多いでしょう。
その場合、どうしても1階の洗濯スペースとバルコニーを行き来しなければならないため、家事動線が長くなってしまいます。
そういった場合は、洗濯スペースと階段を近くに設定し、さらに階段を登ったホールからバルコニーに直結できるようなドアを設置するなど、工夫が必要です。
生活スタイルに合わせた家事動線をつくる
生活動線も家事動線も、そこに住むご家族がどんな暮らし方をしているかによって変わってきます。
奥様が専業主婦で平日の昼間は家事に時間を割けるという場合と、共働きで家事は夫婦で分担しているという場合、さらに子どもたちがすでに独立していて、夫婦で2人暮らしという場合。
それぞれに生活スタイルが違い、家事のやり方や時間帯も違ってきます。
その生活スタイルに合わせた家事動線をしっかりと見極めて、間取りに反映させることが重要です。