窓の役割は、採光・通風・眺望
間取りを考える上で、「窓の配置」は最重要ポイントの一つです。
南側に庭があるのなら、そこに大きな窓を設置して陽光を取り込んだり、そのまま庭やウッドデッキへ出られるようにするのも良いでしょう。
しかし、南側がすぐ隣家と接しているのであれば、無理に窓を付ける必要はありません。
窓には、光を取り入れる採光、風を通り道となる通風、外の様子を見られる眺望という3つの大きな役割があります。
家の間取り、生活スタイルをしっかり考慮した上で窓の位置を決める必要がありますが、内部だけではなく、外の状況も検討材料に入れる必要があります。
つまり、隣り合った家との距離や隣家の窓の位置、窓から見える景色やプライバシーの問題です。
西日が強烈な方向や、風がまったく通らない場所に窓を設置してもあまり意味はありません。
窓と壁とのバランスに注意する
どんな大きさの窓をどこに設置するかによって、今度は壁の位置が決まってきます。
間取りを作る際には、ほとんど気にされませんが、壁は家にとって重要な要素です。
壁があることで家具を置いたり、絵を飾ったりと生活スタイルに影響を与えますし、壁紙一つで部屋の雰囲気を変えることもできます。
窓をたくさんつけすぎて壁がなくなってしまうと、家具の配置が難しくなることもあります。
動線を考慮した窓の設置を考えておかないと、生活しずらい空間になってしまうこともあります。
何事も「過ぎる」のは良くない場合が多いです。
窓と壁のバランスを考慮しつつ、間取りを考えていきましょう。
窓の種類と特徴/代表的な7種類
掃き出し窓
一般的に床から2m以上ある背の高い窓で、そこから外に出られるようになっています。テラスやウッドデッキに面する窓などに使われることが多いです。
出窓
建物から外側に突き出した窓です。風景の一部を写真のように楽しめる「ピクチャーウインドウ」としての役割もあります。
腰高窓
文字通り「人の腰の高さ」くらいにある窓。窓の下は壁なので荷物を置いたり、家具を置いたりなど活用できます。
コーナー窓
窓は壁の中央に設置しがちですが、角に設置することで隣家との視線のバッティングを避けたり、室内を広く感じさせる効果も期待できます。
スリット窓
細長い窓でタテ・ヨコどちらのタイプもあります。機能面はもちろん、デザイン面でもアクセントして利用されることが多いです。
天窓(トップライト)
建物の屋根や天井部分にある窓です。玄関ホールや廊下など光を取り入れにくいところにも対応できますが、メンテンナンスが大変というデメリットもあります。
高窓(ハイサイドライト)
より天井に近い位置に設置された窓で、住宅密集地などでもプライバシーに配慮しながら、光や風を取り入れることができます。
プライバシーへの配慮/隣家や道路からの視線も考える
窓から外が見えるということは、外からも中が見えるということです。
窓を設置する際には、外側からどう見えるか、家の中のプライバシーが守られているかにも十分配慮する必要があります。
特に、隣家や道路との距離が近い場合は、注意が必要です。
コーナー窓を使って隣家の窓と重ならないようにしたり、スリット窓を使って光と風はしっかり取り込み、視線はカットするなど、工夫は様々です。
もちろん、カーテンやブラインドを設置するのも対策の一つでしょう。