一戸建て注文住宅を建てる主導権を握るのはたいてい奥様です。なぜなら、一番家の中で多くの活動をするのが奥様だからです。
故に、「家事動線」を奥様の好みや家族の生活スタイルに合わせて設計しておくことは、「暮らしやすさ」という点でヒジョーに重要です。
家事動線を語る上で欠かせないのが「洗濯にかかわる動線」です。「洗う、干す、畳む、しまう」という一連の作業がスムーズにできるかどうかで、家事にかかる時間は大きく変わってきます。
その「洗濯をスムーズに行うための動線」を作るために、ランドリールームをうまく活用している間取りを4パターンご紹介しましょう。
ランドリールームのある間取り①完全に独立したランドリールーム【住友林業】
【参照】住友林業/(カタログ取り寄せはこちらから)
延床面積204.59㎡(61.88坪)と、かなり広めの2階建て、ランドリールームのある間取りです。
玄関を入ると開放的な広いホール。直進するとこちらも十分な広さがあるリビングクローゼットにつながっています。玄関で利用するものや備品などは、こちらにしまっておくと便利でしょう。
ホールを抜けると広々としたLDK。リビング部分は吹き抜けになっています。和室が隣接しており、こちらを開放すれば、さらに広い空間ができあがります。また、こちらの和室を「親世帯の寝室」にすれば、二世帯住宅にすることも可能かもしれません。
浴室、洗面脱衣室、ランドリールームが1直線にならび、家事動線のスムーズさは抜群。さすがに面積が広いだけあって、ランドリールームが完全に独立した部屋として用意されています。
洗濯機は、脱衣室ではなくランドリールームに設置され、こちらの部屋で洗い、直結するウッドデッキ、庭で干し、ランドリールームに回収して畳むという流れになります。
ランドリールームには収納も豊富で、こちらに洗濯が終えたものを一時保管しておいて、家族がそれぞれ回収していくといった「家族のルール」を作ることもできるでしょう。
2階にはセカンドリビングとして使えそうなくつろぎコーナーと広いホール。6帖の納戸など収納も豊富です。
その反面、居室は子ども部屋1つと主寝室しかなく、なんだかスペースを無駄にしてしまっている印象。家族構成によっては吹き抜けはなくても良いので、もう一つ子ども部屋を増やしても良いのではないかと思います。
ランドリールームのある間取り②家事動線をコンパクトにまとめた子育て住宅【タマホーム】
こちら、「ローコスト住宅の王様」タマホームのランドリールームのある間取りです。
玄関を入ると、子育てファミリーにはうれしいシューズクローク。
小さめのホールがあり、玄関・トイレとLDKはドアで隔てられています。
スタディスペース付き、対面キッチンのLDK。
キッチンに隣接して、脱衣室、お風呂、ランドリールームがまとまって配置されており、家事動線は抜群。
3帖のランドリールームは、家事室として、そして奥様のプライベートスペースとしても活躍するでしょう。
欲を言えば、となりの和室とランドリールームもつなげてしまえば、1階の回遊性が高まり、なお良いかもしれません。
2階は廊下部分が狭く、多少混雑するかもしれませんが、可能な限りの面積を居室のために使っているので、子ども部屋2つと主寝室+クローゼット収納もしっかり確保されています。
廊下からバルコニーに直接出られるようになっているので、1階で洗濯をして階段を上がり、すぐバルコニーで干すことができます。家事動線の短縮につながるでしょう。
ランドリールームのある間取り③天候を気にせず室内干しができる洗濯室【トヨタホーム】
延床面積:131.21㎡(39.69 坪)の2階建て間取りです。こちらも小さいお子様がいる子育て中ご家族のお家になります。
玄関にはファミリー住宅には必須の玄関クローゼットがあります。広めのホールからはLDKに入るドアと洗面室に直接アクセスできるドアがついており、「家に帰ったら、洗面室で手を洗ってからリビングへ」という動線がスムーズです。
LDKは対面キッチンで、正方形に近く、和室が隣接しています。リビング階段というより、ダイニング階段というべきでしょう。生活音の漏れや2階から冷たい空気が流れてきて寒いという場合があれば、ロールカーテンをつけると良いと思います。
2階は子ども部屋2つに主寝室。ウォークインクローゼットに書斎もついています。
主寝室には洗濯物を干すバルコニーが隣接していますが、注目すべきはバルコニー横の「洗濯室」。こちらは天候がすぐれなくても安心して部屋干しが出来る部屋。階段から最短距離でアクセスできますので、1階で選択した衣服を持ち上がって、洗濯室に干す。また洗濯室で用意を整えて、バルコニーで干すといった家事動線になると思います。
もちろん洗濯室は、とりこんだ洗濯物をたたんだり、一時保管する場所などにも使えるでしょう。
ランドリールームのある間取り④アウトドアリビングを活用したラク家事間取り【勝美住宅】
【参照】勝美住宅/(カタログ取り寄せはこちらから)
こちらは、屋外で家族のだんらんタイムが持てるようにというアウトドアリビングが特徴敵な「ランドリールームのある間取り」です。
1階は、エントランスをくぐるとまず広めの玄関ホール。玄関からの出口は2箇所あり、正面は階段に直結、左が一階フロアにつながっており、生活動線の短縮化がされています。
主寝室が1つに子ども部屋が2つ。主寝室の隣にはウォークインクローゼットがあり、こちらにも入り口があることで全体の回遊性が高まっています。
注目すべきは主寝室の外につくられたプライベートバルコニー「ナカニワ」。採光、通風の面でも大きなメリットがありますし、リラックスした時間を過ごしたり、鉢植えを置いて「ベランダガーデニング」などを楽しむのも良いでしょう。
おまたせしました。ランドリールームのある2階に移動しましょう。
こちらは階段を上がると、短い廊下があって、LDK、バルコニー「ソラニワ」、洗面・バスルームへとそれぞれつながっています。この短い廊下があることで、洗面・バスルームの音がLDKにもれなくなるというメリットがあります。生活音を気にされる方にとっては重要なポイントです。
LDKはシンプルな長方形。調理カウンターが壁際とフロワで平行に並んでいるⅡ型キッチンにして、こちらも回遊性を高めています。家が密集した分譲地や都会に建てる場合は、こうして2階にLDKを持ってくることで、暗くなることなく、開放的な団らん空間をつくることができます。
こちらの間取りは、「洗面室+直結するソラニワ+直結するLDK」を組み合わせ、全体を大きな「ランドリールーム」ととらえると良いと思います。洗濯機であらった洗濯物を、すぐに隣のバルコニーに干し、乾いたら、隣のLDKに運んで畳む。この一連の流れに必要な移動距離が非常に短く、スムーズに出来る点が家事ラクにつながる重要なポイントになります。
ただ、「ソラニワ」がある分、LDKがせまくなってしまうという点は、デメリットとして考慮するべきでしょう。
以上、ラク家事間取りの事例ご紹介でした!
【まとめ】小さくてもランドリールームがあると利便性アップ!回遊性を高めることも重要
ランドリールームのある様々なパターンの間取りをご覧いただきました。
洗濯や家事を行う専用のランドリールームは、例え小さくても用意されていると、いろいろな使い方ができて便利です。ランドリールームをつくる際は、必ずお風呂や脱衣室、キッチン、洗濯物干し場などと隣接させて、家事動線を短くするようにしましょう。
また、ランドリールームに2つ以上出入り口をつけて、回遊性を高めると、より使い勝手がよくなると思います。
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