二世帯住宅の一戸建て住宅で間取りを考える場合、「各世帯が集まってどういう暮らしがしたいか」をまとめることが重要です。
親世帯と子ども世帯が一緒に大家族としてわいわい暮らしたいなら共有スペースを増やしたタイプ、生活スタイルが違うなどそれぞれのプライベートを重視したいなら、建物内完全分離型がベストです。
各ハウスメーカーが実際に建てた、またはプランニングした2階建て、3階建ての「40坪の二世帯住宅間取りプラン」を見てみましょう。
40坪の二世帯住宅間取り①将来の「二世帯同居と子どもの独立」を見越した3階建てプラン【大和ハウス】
こちらは「将来の二世帯住宅化を念頭においた間取りプラン」を採用した3階建て。
近くに高齢の両親が住んでいる、かつお子様が大学生と高校生という状況で家づくりを検討し始めた施主ご夫妻が選択したのが、「二世帯住宅にもなる家」でした。
■敷地面積:289.70m² (87.63坪)
■延床面積:161.47m² (48.84坪)
大和ハウスが提案したのは、施主が思いもよらなかったという3階建ての間取りプラン。そのプランニング能力と対応の良さ、ローン返済に関する的確なアドバイスなどに惚れ込み、今回の家が完成したと言います。
玄関は一つ。一階には二世帯可により大家族で暮らすことも想定した玄関収納、そして3階建てということもあり、将来を見越してホームエレベーターも完備しています。
1階洋室にもミニキッチンがあり、同居時には、こちらが親世代の暮らすスペースになるでしょう。
お風呂や洗面台、洗濯機は共用スペースとして1階にまとめられています。
2階は子ども世代の居住スペース。
主寝室+可動式間仕切りでレイアウトが自由に変更できる子ども部屋。廊下をできるだけなくして、ウォークインクローゼットや趣味室まで整っています。
3階はメインのLDKスペース。土地の立地条件から、採光や通風も考え、3階をリビングスペースに。
3階建てになったことで床面積は大きく確保しつつ、コンパクトな居住空間を有効活用し、冷暖房費の節約も実現した「エコで暮らしやすい未来の二世帯住宅」が完成しました。
40坪の二世帯住宅間取り②【トヨタホーム】仲良し三世代家族の「全部共用」2階建てプラン
玄関、LDK,お風呂、トイレなどのほとんどの空間を二世帯共用にした「全部共用タイプ」の二世帯住宅間取りプランです。
1階のリビングは、大人数でわいわい過ごせるようゆったりとスペースをとって。
キッチンからママの家事部屋、洗面室、お風呂までを一直線にまとめて、大家族の生活を支えるお母さんの家事動線をすっきり、お仕事をしやすく工夫がされています。
1階に設けた大きな収納スペースも、ママの仕事をはかどりやすくする一工夫。
1階には共有スペースと、親世帯の主寝室を設置。隣に、小さな多目的スペースをつくり、趣味を楽しんだり、家族共有のLDKとは別に友人を呼んでくつろいだりといった「プライベートな時間」を過ごせるようにとの気遣いが感じられます。
2階は子ども世帯のプライベートスペース。
主寝室と将来間仕切りができる子ども部屋。収納力たっぷりのウォークインクローゼットに書斎スペースもありと、機能満載の間取り。
一階の親世帯寝室に生活音が響きにくいよう、階上には子ども部屋ではなく、主寝室がレイアウトされています。
40坪の二世帯住宅間取り③LDKでの団らんを楽しむシンプルな全施設共有型【セキスイハイム】
延床面積:147.16㎡(44.51坪)
玄関ホールを境に左側に親世帯の居室スペース+和室。中央に円筒形の出窓が特徴的なリビングがあり、家族共有部分のダイニングキッチン、お風呂場と続きます。
LDKあわせて21帖とユニット工法のセキスイハイムらしく開放的な間取り。家族が集まって長い時間を過ごす場所だからこその快適性を求めた結果でしょう。
基本的には「リビング階段」ということになりますが、玄関ホール側にはドアがついており、それぞれの階の生活音が階段を伝って漏れることを防いでいます。
2階は子ども世帯のプライベートスペース。6.5帖と広めの子ども部屋が2つに、主寝室。主寝室には書斎とウォークインクローゼットが付いている他、廊下にも大きい納戸がついています。
まさにブログ管理者である私の住んでいる住居がこのセキスイハイムの木造系住宅です。特徴はとにかく「暮らしやすい」ということ。我が家は二世帯住宅ではありませんが、家族4人で暮らしていて家の間取りなどで不満に思ったことが一切ありません。
「シンプルに暮らしやすい家」をお求めの方にはおすすめです。
40坪の二世帯住宅間取り④両世帯が気を使わずに暮らせる完全分離2階建て【泉北ホーム】
延床面積/155.69m2(47.1坪)
玄関やお風呂など共有スペースをなくして、すべて世帯別に用意した同一建物内の完全別離タイプの二世帯住宅です。
1階は左が親世帯の玄関で、そのまま親世帯のプライベートスペース。主寝室、LDK、タタミルーム、広めのバスルームと二世帯住宅ながら、しっかりくつろげる空間と設備を整えてあります。
右側の玄関を入ると子ども世帯のスペース。靴や傘、子どもたちの自転車などもしまえるシューズクロークがついている点が特徴。玄関ホールには内ドアがついていますので、プライベートは守りつつ、必要な時にはそれぞれのスペースを簡単に行き来できます。
階段を上がってすぐに2階のLDKにアクセス。こちらは子どもたちの様子がよく見える対面キッチンスタイルです。
水回りを各階でまったく同じ位置にまとめることで、生活スタイルの違う世帯が集まっても、生活音で不快な思いや気遣いをしないよう配慮がされています。
収納の位置や数が工夫されていて、「ここに欲しい」という適切な場所に適切な大きさの収納スペースを配置しています。
完全分離型の二世帯住宅については、こちら「二世帯住宅/完全分離型の間取り【魅惑の8パターン】」にまとめてありますので、合わせてどうぞ。
以上、40坪の二世帯住宅間取り事例をご紹介しました!
まとめ/40坪の二世帯住宅は、各世帯の関わり方によって間取りプランが変わってくる
40坪程度の面積ですと、広いLDKなどを設けるのであれば、各世帯の共有スペースを多くする必要がありますし、各世帯のプライベートスペースを確保したいのなら、各部屋を小さめにする必要があります。どういう間取りにするかは、「各世帯の関わり方をどうしたいか」に大きく左右されるでしょう。
各世帯が一緒になる時間を増やして「大家族」として暮らしていくのか、それぞれの生活スタイルを尊重しつつ、同じ建物に暮らしながらもプライベートを重視するスタイルにするのか。まずは、その辺りを相談して考えをまとめてから、間取りプランの作成に着手すると余計なトラブルは少なくなるでしょう。
おすすめ人気記事