家の広さは、子育てとも密接に関係していると言えるだろう。
最初の子どもが生まれた時には、アパートやマンション暮らし。子どもがハイハイを始め、歩き始め、行動範囲が広がると、賃貸住宅がだんだん手狭になってくる。
そうなると「そろそろ家を買おうか」という話が本格化してくるというのは、よくあるパターンである。
広すぎる家が必要という訳ではない。
各部屋や、主に育児で使うであろうリビングダイニング、そして現在の家族構成から未来の家族計画までをしっかり視野に入れた「適切な広さの家と間取りプラン」が重要になるということである。
現在、そして将来の家族構成によって、適切な家の広さを考えよう。
子育てを快適にする「子どもが自由に動き回れる家の広さと安全性」。親のストレスをなくす工夫も
我が家にも幼稚園に通う二人の兄弟がいるが、とにかく家の中でも外でも動き回る。
子どもたちが主に過ごすのはリビングダイニングとそこに隣接するセカンドルーム(収納部屋、遊び部屋を兼ねつつ、ウッドデッキ・庭につながっている)である。
おもちゃを盛大に広げても十分なスペースがあり、親はリビングやキッチン、隣接する洗面室などを行き来しながらでも、子どもたちの動きを確認することが可能だ。
子どもが小さい時、子育ての中心になるのはリビングダイニングだろう。
子ども部屋にこもるようになるのは、まだまだ先だ。
故に、「十分な広さのリビングダイニング+α」があるかどうかが、「快適な子育て」のターニングポイントになると考えられる。
リビングが狭く、ソファ、テレビ、収納、子どものおもちゃでスペースをとられ、移動もしづらい。そんな状況では、行動にも、気持ちにも余裕がなくなってしまう。
おもちゃが散らかった状態で子どもが動き回れば、ミニカーを踏んでしまうこともあるだろうし、転ぶことも多い幼児の場合、狭い室内で転倒すると家具に頭をぶつけるなど危険も多くなってしまう。
子どもの年齢が上がるに連れ、行動範囲も広くなる。
2歳になれば、よちよちと階段も上り始めるだろう。リビングダイニングだけではなく、家の様々なところを探検して、かくれんぼをしたり、時にはおもちゃが散らかったリビングを抜け出して、二階の寝室でボール遊びを始めることもあるかもしれない。
洗面室やお風呂など子どもと一緒に使う場所のプランニングも重要
生活に必要な部屋はリビングやダイニングだけではない。洗面室やお風呂場が狭いと、子どもと一緒に利用する場合、苦労することも多いだろう。
洗面台の前が混んでしまう、子どもたちとお風呂に一緒につかることができないなど、「家が完成して、実際に暮らしてみてから、予想外の狭さという不満ポイントに気がつく」ということも少なくない。
間取りプランを考える際は、平面の間取り図で検討することも大事だが、「完成見学会」など実際に建てられた家で各部屋の広さや過ごしやすさを体感してみるなど、シミュレーションをしてみることも必要である。
また、親のストレスという意味では、いかに「ラク家事な間取り」を作り出せるかも重要。特に重労働な家事である洗濯に活用できるランドリールームがあるのとないのでは、負担は大きく変わってくるので、間取りプラン作成の際は「ランドリールームのあるなし」もしっかり検討しよう。
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狭過ぎる家での子育ては、親にとっても子どもにとってもストレスになる
「狭い家」というのは、実際に面積が少ない場合もあれば、家具や物が多く「狭く感じてしまう」場合もあるだろう。
平屋住宅で、それほど多くの面積がある訳ではないけれど、非常に広く感じ、快適に暮らせる家というのも当然ある。
それは、そこで暮らす家族の生活スタイルと間取りプランがうまくマッチした成功例と言えるだろう。
「子育てをしていて、家が狭く感じる。子育てがしにくい」と思ってしまうと、実際に育児をしている親にとっては、かなり大きなストレスである。
子どもたちがおもちゃを散らかして、足の踏み場もない。
子どもたちは、親が触ってほしくないもの、危険なものばかりに手を伸ばす。
閉鎖された空間でそんな状態が続けば、どんな人でもイライラしたり、気持ちが重くなったりといった悪影響があるものだ。
それは親だけではなく、子どもも同じ。
思うように動けない、遊べない、それに加えてママやパパの機嫌も悪い。そんな環境で楽しく遊べるはずはないし、健全な心と体が育つとは思えない。
もちろん、「大家族だけれど狭いアパートで暮らしていましたが、楽しかったし、子どもたちは立派な大人になりました」という例はいくらでもあるだろう。
ただそれは「結果論」であって、問題は、これから家を建てて子育てをするであろう「あなた」が、快適に新居で生活し、リラックスして育児に取り組めるかどうかという点である。
子どもと常に一緒にいることは、親にとっても大変なことである。こどもが安全に、そして快適に「遊べる・過ごせる空間」があれば、親もストレスをなるべく感じることなく、育児や家事、自分のための時間を過ごすことができる。
そのためには「家や部屋の広さ」も重要だが、家全体の収納スペースも含めて、子どもにとって危険なものが手に届くところに放置されていないといった「収納と整理」が行き届いているかどうかも大きなポイントである。
「物がしっかりとあるべきところに収まっていって、子どもが快適に動き回れる、安全に遊べる」部屋づくりが出来なければ、いくらだだっ広いLDKを用意しても、親子が感じるストレスは軽減されないだろう。