ビルトインガレージを活用している間取りで30坪程度の延床面積で建てられた注文住宅を紹介する記事です。
ビルトインガレージの目的としては
- ①車庫として使う
- ②外作業などをするガレージとして使う
というのが一般的だと思います。
①の場合は、敷地が狭くて別に駐車場が作れない他、ビルトインにすることで車へのアクセスや荷物の移動を楽にしたいという考え方もあると思います。
②の場合は、趣味や楽しみの一つとしてガレージを生活に取り入れている場合だと思います。
車やバイクが好き、アウトドアが好きというご家族が採用するパターンです。
30坪となるとそれほど広くはありませんが、どのようにビルトインガレージを活用しているのか、具体的に見ていきましょう。
30坪のビルトインガレージ間取り①好きなものに囲まれて暮らす2階建て
【参考】クレバリーホーム(Suumo)/(カタログ取り寄せはこちらから)
ビルトインガレージを採用した2階建ての間取りです。
シンプルな四角形の外観で都会の住宅密集地などでも建てられることが可能です。
延床面積は117.02m2(35.3坪)となります。
こちらは施主であるご夫婦が「自分たちの趣味を思い切り楽しむ」ために建てた家です。
車が大好きなご主人は愛車を大事に保管するためのガレージに電動シャッターやスポットライトなどを取り付け、カスタマイズ。
ファッションが趣味の奥様は、ご自身の主戦場であるキッチンの脇に7.5帖の衣装ルームを設置し、数千着あるという洋服コレクションを保管しています。
1階は玄関内部が広くなっており、ビルトインガレージから直接アクセスできます。階段下収納も完備で、収納力は抜群です。
主寝室を中心に、大容量のクローゼットが脇を固めます。
2階はLDK.キッチン横の大部分を占めるのが奥様の衣装部屋。
趣味を存分に楽しむ2人暮らしならではの無駄を削ぎ落としたシンプルな間取りになっています。
さらに小屋根裏収納を設けることで、30坪、ビルトインガレージに衣装部屋を設けても、収納力を落とさないよう工夫がされています。
30坪のビルトインガレージ間取り②平屋で5人家族。ガレージを主役にしたコンパクトハウス
【参考】トヨタホーム(Suumo)/(カタログ取り寄せはこちらから)
延床面積は114.92m2(34.7坪)。
鉄骨系プレハブの平屋住宅です。
ご夫婦とお子様3人で暮らしています。
車は複数台あるので、外にもカーポートを設置し、合わせてビルトインガレージ仕様に。
ビルトインガレージは玄関とつながっており、回遊性は抜群。
雨の日の買い物でも濡れません。
正方形のLDKを中心に、子ども部屋、浴室・洗面、主寝室がワンフロアに並びます。
アイランドキッチンを採用し、ダイニングテーブルをすぐ横に並べたことで、できた料理をそのままテーブルに出せるなど、家事動線の短縮につなげています。
リビングの上は吹き抜けになっていて、螺旋階段で上がる仕様。
階上の小屋根裏収納にも窓をつけることで圧迫感を減らし、部屋全体の一体感が増すような工夫がされているのが特徴。
平屋でもビルトインガレージは作れるという事例ですが、ただでさえ広いとはいえない平屋、かつ幼いお子様が3人もいるという家庭状況で、果たしてビルトインガレージを優先して注文住宅の間取りを作れるかというと疑問が残ります。
30坪のビルトインガレージ間取り③バイク用ガレージのある家事動線とアウトドアにこだわった2階建て
【参照】ホームスタイリング(Suumo)/(カタログ取り寄せはこちらから)
真っ白い壁の四角い家。
延床面積109.74m2(33.1坪)の2階建てです。
こちらにはご夫婦とお子様2人のお住まい。
アウトドア好きのご家族ということで、随所にこだわりが見えます。
ビルトインガレージは主にご主人の趣味であるバイクの車庫、作業場として活用されています。
玄関隣にシューズクローゼット、そしてそこから直結してガレージがあります。
玄関の前に洗面室があり、外から帰ってきてすぐに手洗いやお風呂に直行できます。
キッチンは対面式。すぐ横のドアから洗面室にアクセスし、さらにデッキの物干し場へとつながっているため、家事動線は良好。
LDKは19.4帖と広々。そこから大開口の窓、テラス、庭と続きますが、庭は白い壁に囲まれた状態になっていて、住宅街でもプライバシーを重視して暮らせるような配慮がされています。
吹き抜けの天窓やテラスから陽光が差し込むリビングから2階に上がると、4.5帖の子ども部屋2つと主寝室。さらに4帖の和室は吹き抜けに面していて、ここに勉強用のデスクが設置してあります。
30坪のビルトインガレージ間取り④狭小住宅の3階建て。都会や密集住宅地でガレージ活用ならこのタイプ
【参考】センボクホーム(Suumo)/(カタログ取り寄せはこちらから)
延床面積85.71m2(25.93坪)の狭小住宅3階建てですが、しっかりビルトインガレージも設置している間取りです。
1階はインナーガレージから玄関にアクセスするようになっています。
ガレージ内部の外部収納、玄関ホールのウォークイン・クローゼットなど、玄関近くに大容量の収納を確保しているのが特徴です。
1階は居室はなく、バスと洗面室のみ。
2階はLDKの団らんスペース。
キッチンは壁付けキッチンタイプで無駄を省き、くつろぐためのスペースを広くとっています。
壁付きタイプですが、腰壁を活用することで、窮屈にながず、空間全体に広がりをもたせる工夫をしています。
3階は寝室が2つのシンプルな構成。
ご夫婦と子ども1〜2人であれば、十分快適に暮らせるスペースを持ったビルトインガレージ付きの狭小住宅と言えるでしょう。
以上、ビルトインガレージのある間取りをご紹介しました1
まとめ/ビルトインガレージをつくるなら30〜35坪が限界か?
今回は30坪程度の延床面積でビルトインガレージを採用している間取りを紹介しました。
重要なのは、「ビルトインガレージ」というスペースをとる施設を間取りの加えると、当然、他のスペースを削らなければならないということです。
それを考えると、今回紹介した30〜35坪程度の延床面積が、ビルトインガレージを活用しつつ快適に暮らすには、限界とも言える広さなのかなと感じます。
もちろん、夫婦のみの世帯なのか、子どもがいるかによって変わるのは間違いありません。
また、3階建ての狭小住宅の場合、車を持ちたいのであれば、建物と駐車場を一体化できるビルトインガレージはぜひ検討したいオプションと言えるでしょう
今回、コラムを執筆して感じたのは「ビルトインガレージを作りたいと思う人は車やバイクが好きなんだ」という当たり前の事実です。
ビルトインガレージを設置する方は、やはり愛車をお持ちの方多いです。
人間の居住スペースを削ってでも、車を保護するためのガレージを作りたいと思うのですから、当然といえば当然ですが、「自分の趣味や楽しみを家づくりに活かす」というのは大切なことです。
ビルトインガレージ付きの間取りにも、家づくりについて学ぶべき点はたくさんありますね。