いよいよ我が家もマイホームかと、希望に胸を踊らせて始めた家づくりが、途中で頓挫してしまうことはよくある。つまり「家づくりに疲れてしまう」のである。
新築一戸建ての家をゼロから作るというのは、かなりの時間と労力と精神力が必要になる。
カタログを取り寄せて読んだり、ハウスメーカーのオフィスや展示場を訪問したりと時間をかけて家を建てるハウスメーカーを選んだら、今度は建てる家にまつわるすべてを決めていかなければならない。
間取りや外観はもちろん、壁紙や床、ドアノブの素材に至るまで、すべてカタログとにらめっこしながら選択していく。
キッチン、風呂、トイレなど設備も種類やメーカーが山のようにあり、そのすべてに「お金の計算」もからんでくるからやっかいだ。
理想や希望は叶えたいが、予算も当然限度がある。
あっちをこうするとこっちがうまくいかず、こっちをああすると、それがどうにもならない。
そうやってどツボにはまっていった挙げ句「ああ、面倒くせえ。もう家なんていらねえよ、どうでもいいよ」と投げやりになり、家族仲は悪化、家の中は空気がよどみ切った最悪の状況に陥るのである。
そういった、ある意味「家づくりソンビ」になりかけてしまった時は、かなり思い切った対策が必要になる。
人生に一度の大切な家づくりだけに、問題が起こった時の反動は大きい。早期に気づいて解決しておかないと、家をつくるどころか、家族離散になりかねない危機的状況である。
家づくりに疲れてしまった時の対処法としては具体的に2つ。
一つは「リセットをしてゼロからやり直す」こと。
もう一つは「心を整えてモチベーションを上げること」である。
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家づくりが行き詰まったら、思い切ってリセットしてしまう
家づくりがうまくいかない原因は、家族の意見の対立であったり、どちらにするか迷っていて決められなかったり、予算内にどうしても収まらなかったり、ハウスメーカーの担当者が無能でまったく役に建たなかったりと様々ある。
どの家庭も、時に悩みながら苦しみながら、何とかがんばって家を作り上げている。「最初から最後まで楽しい家づくりでした」という場合の方が珍しいだろう。
産みの苦しみではなく、「建てる苦しみ」である。
家づくりがどうにもうまく行かず、疲れ果てた。
そうなってしまった場合は、そのまま状況を改善しようとはせず、すっぱりきっぱり切り捨ててしまうのもまた、一つの方法である。
一度はっきりと頓挫してしまった計画は、どこをどう直して折り合いをつけようとも、ケチがつく。
妥協に妥協を繰り返して家を完成させたとしても、後々、「あそこをこうすれば良かった」「あの部分は失敗だったのでは?」と必ず後悔するものである。
であれば、そんな中途半端なプランは、捨ててしまえば良い。
これまでの労力と時間は水の泡であるが、一生後悔をしながら、ケチのついた家に住み続けるよりよっぽどマシである。
対策①間取りを新たに作り直す
家づくりが進まない問題の多くは間取りの中にある。間取りの設定が上手くいき、理想の状態に近づいていれば、よりスムーズに家づくりが進められるといっても過言ではない。それほど、間取りとは重要なものなのだ。
これまでこねくり回してきた間取りを一度捨てて、新たに作り直す。
もう一度「自分たちの理想とする家には何が必要で、何が必要でないのか」をしっかりと整理した上で、再チャレンジをしてみるのだ。
PCやスマホから申し込める無料の間取り作成サービスを使い、複数の異なるプランを比較してみることからやり直してみても良いだろう。
もう一度、家づくりを始めた頃の新鮮な気持ちで、取り組むのである。
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対策②ハウスメーカーを変える
あなたの家づくりが進まず、疲弊してしまった原因は、ハウスメーカーにあるのかもしれない。
一流ハウスメーカーであっても、担当者の能力が低かったり、相性が悪いと家づくりはうまくいかないし、イライラは募るばかりである。
気をつけるべきは、ハウスメーカーの名前やブランド力ではなく、担当者がどんな人間かという点である。
やはり、家づくりはハウスメーカーの担当者との信頼関係あなければ上手くいくことはない。
ハウスメーカーを途中で変えるのは勇気のいることかも知れないが、数千万円の費用をかけて住みたくもない家を建て、一生後悔し続けるよりはマシである。
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対策③建売や中古を検討する
あまりにもやることが多い新築一戸建ての家づくりに比べて、建売住宅や中古住宅の購入は負担が圧倒的に少ない。
どちらも基本的には「あるものを買う」ので、何かを決める・考える・選択するという機会が少なく、その気になれば即購入・即入居も不可能ではない。
新築の建売は費用面で大きなメリットが有り、中古住宅は運良く優良物件を見つけることができれば、グレードの高い家を安く手に入れられるし、リフォームをして自分好みにカスタマイズするという楽しみもある。
新築一戸建てだけが、家ではない。
あらゆる可能性を探りながら、「楽しい家づくり」を進めていきたい。
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もう一度家づくりに立ち向かう心を奮い立たせてくれる「家づくりムービー」でモチベーションアップ
家づくりに疲れてしまった自分の心をもう一度奮い立たせるためには、「家づくり」を題材にした映画やドラマに没頭し、「家づくりモチベーション」を高める必要がある。
ここでは、「家づくりモチベーション」をアゲアゲにしてくれる3つの作品を紹介しよう。
①みんなの家
言わずとしれたコメディの巨匠・三谷幸喜の隠れた名作である。
マイホームを建てようとした夫婦が直面した家づくりのトラブルをつづった映画。
融通がきかない堅物の設計士と、昔ながらの頑固者大工(妻の父親)が事あるごとに対立し、まったく上手く進まない家づくりをコミカルに描く。
実際に三谷幸喜が家を作った時のエピソードを元にしているというから、思わず笑ってしまうお話の中にもリアリティがある。
②フリーター、家を買う。
タイトルとは裏腹に、前向きに家を買おう!という内容ではないが、就職に失敗しフリーターとなった青年が、様々な苦労や葛藤に悩みながら、とある家族の「重大な問題」を解決するために家を買って引っ越しを目指すという「努力の物語」に「我が家もがんばって家づくりをやってみよう」という気にさせてくれる。
③家売る女
天才的不動産屋の女性を主人公に、家を買う人、売る人の悲喜こもごもをコメディタッチで描くドラマ。
主人公の型破りな性格や大胆な行動にハラハラ・ドキドキするというのが作品の楽しみ方ではあるが、その裏側にある人間ドラマや、家を欲しい人、売りたい人の人生が垣間見れるエピソードに、家づくりの奥深さを知る一作。
まとめ:辛いくらいならやめてしまった方が良い。家を持つ方法はいくらでもある
新築一戸建ての家づくりで心も体も疲弊し、しかも家族仲まで悪くなってしまうのでは、何のために家を建てるのかわからない。
家づくりは、一度頓挫してしまうと、なかなか修復は難しく、すっきりと「ああ、良い家が建てられて良かった」と思えなくなってしまう。
家を持つ方法は、何も新築一戸建てだけではない。
建売もあれば中古もある。
様々な選択肢の中から、自分たちの人生にベストマッチする「家づくりの方法」を見つけてもらいたい。
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